Twitterの買収、そして日本への影響についての考察
- 桑原由樹
- 2022年11月9日
- 読了時間: 3分
今日ネットニュースを見ていたら、こんな記事を見つけました。
どうやら同記事によると、イーロン・マスク氏がTwitterを買収し、整理解雇を行う上で、Twitterの日本法人の社員の、
「社用PCが起動しなくなり、社内ツールにアクセスできず、社用メールのパスワードも変更されていたと、社内ネットワークから突然締め出されたことを報告するものだ。」
という事象が発生したようです。そして、同記事によると、このような整理解雇の方法は、
佐藤氏: 労働契約法16条は「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と定めています。
米ツイッター社のイーロン・マスク氏は、今回の大量解雇について「深刻なコスト上の問題のため」であると説明しているため、いわゆる整理解雇に当たります。
整理解雇は、使用者(企業)側の都合による解雇です。そのため、解雇の有効性について厳格に判断すべきと考えられており、日本の裁判所では、(1)人員削減の必要性、(2)解雇回避措置の相当性、(3)人選の合理性、(4)手続きの相当性といったポイントを踏まえて有効性を判断しています。
今回の大量解雇についても、こうしたポイントを踏まえて評価した結果、解雇が無効になる可能性は十分あるでしょう。」
と、日本では無効となる可能性がある解雇だと示唆しています。
みなさんは、この記事を読んでどのように感じますか?
日本の問題点を認識している方々は、それぞれ色々な捉え方をされると思います。
中には、「外資系企業で働いているのだから、外資系の働き方が適用されるのは当たり前だろう。」とか「外資系のテック企業で働いている人は、Twitterにこだわらずとも他でいくらでも働き口があるだろうから大丈夫だろう。」などの意見もあるかもしれません。
しかし、私は、今回のニュースはこのような意見の範疇に収まる問題ではないと考えています。
そもそも、日本で法人を構えている以上、日本の法律に従うのは当たり前であり大前提です。
最近、日本のメンバーシップ型雇用の硬直性が盛んに指摘されています。
たしかに、外資系のジョブ型雇用のほうが今の時代に即した働き方ができ、生産性も上がるのかもしれません。しかし、これまでの働き方を今後どう改善していくか考えるのは、主権者たる私たち日本国民自身です。
2018年10月、ヒルトン福岡シーホークがアメリカの制裁を理由にキューバの日本大使の宿泊を拒否し、福岡県から行政指導を受けましたが、これも日本の法律を軽視した出来事でした。
私たちは、自分たちの国は自分たちが統治するという大原則を忘れてはいけません。そうしないと、江戸時代に締結した不平等条約、いわゆる安政の五カ国条約を改正するのに約半世紀の期間を費やした、先人たちの努力が報われません。
日本は戦後、アメリカの意向を強く受けた国家となりました。そのことが、民主主義を普及させ、今日の繁栄をもたらしたのは間違いありません。
しかし、同時に、国としての、国民としての尊厳を失ってはいけないと思います。
世界の優れた制度、仕組みの、真似をするべき点は真似をする。同時に、理不尽なこと、受け入れられないことははっきりとNOと言う姿勢も、これからの時代に問われているのだと思います。
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